西福寺開山堂は全方位3Dなセカイ
GWに魚沼市の西福寺開山堂に出かけてきました。前日に一度訪ねたのですが、他の用事が長引いて拝観時間には間に合わなかったため、連日の訪問です。どんだけ暇なんでしょ。
目的は、越後のミケランジェロ 石川雲蝶作の仁王像です。
この西福寺というお寺。仁王像よりも開山堂の堂内に彫られた彫刻が非常に有名かつ評判で、この日も沢山の観光客が訪れていました。
いや、私の目的は仁王像ですよ。ふんふん。天井彫刻は守備範囲外ですよ。ふんふん。
とか思いつつ堂内に入ったのですが、すみませんでした。苦手な食べ物もちゃんと食べるようにします。とりあえず饅頭を持ってきてください。
いや、凄いのなんのってのです。
四畳半ほどのお堂の中は満員電車のごとく、人でびっしり。皆、上を見上げて彫刻を見ています。大半の人が口を開けていますので、美男美女もこのお堂の中ではマヌケ面必至ですから、日帰り温泉と同じように「人類みな平等」を感じることができます。(注:日帰り温泉理論。怖そうな人もいい男もみんな日帰り温泉のタオル地ガウンを着てしまうと、なんかちょっとかわいらしくなってしまって、「あぁみんな一緒じゃん」と思える理論。)
天井だけではなく堂内四方前面に透かし彫りが施してあり、特に天井に彫られた「道元禅師猛虎調伏(どうげんぜんじもうこちょうふく)」の彫刻は、最近話題になった3D映画「アバター」のごとくこちらに迫ってきます。(注:実際に立体です。)
アバターは見ていませんし、多分レンタルするとしても通常版を借りちゃうと思います。
あぁ脱線。
もちろん、堂内入り口に立っている仁王像も、躍動感が溢れていてとても素晴らしいのです。口にくわえた三鈷杵(さんこしょ)やヘッドロックを決められた鬼などは、一般的な仁王像ではみられないもので、非常にアニメ的な演出となっています。石川雲蝶って結構革新的な彫刻家だったんでしょうね。
お堂の外も綺麗な彫刻が施されていて、このカラス天狗なんかは見事なものでした。
そして、カラス天狗よりも圧巻なのは凄く防御されたお堂。屋根の上に屋根といった感じで、一見笑わせにかかっているかのようにも見えますが、大豪雪地帯の魚沼市にあって、このお堂の大きな茅葺き屋根の雪下ろしは、今まで命がけのものだったそうなのです。なんでも命綱を使って雪下ろしをしなくてはならなかったとか。ところが最近の住宅では融雪装置の発達や建築技術の向上によって、屋根の雪下ろしをする必要がなくなってきてしまったのですね。そんなご時世、命をかけてまでこの茅葺き屋根に登って雪下ろしをしてくれる若者も少なくなってきてしまったとのことで、茅葺きをまもるかのようなこの2段重ねの屋根がつくられたそうなのです。
敷地の境には朝青龍によく似た石の仁王。石造りの仁王もなかなかお目にかからないところに持ってきて、朝青龍に似てるってんだからたいしたものです。
仁王門には蝉の抜け殻がありました。五月なのに蝉の抜け殻ってことは、この抜け殻は豪雪地帯にあって越冬してるわけですね。自然のパワーを感じることができました。
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テレビ見ましたよー
すごく仏像すきなんですねー
おー!ありがとうございます。
テレビご覧になったってことは、新潟のかたですか?
仏像は、知れば知るほど奥が深くてどんどんたのしくなってきますね。
新潟を見仏して歩くと、今まで知らなかった新潟も発見できて、新潟もどんどん好きになれますねー。