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2015蔵王毘沙門堂 Keep Alive

投稿日 2015年1月02日 金曜日

コメント コメント(3)

カテゴリ中越地区の仏像, 秘仏

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大晦日の百八灯籠
毎年の恒例となっています、新年の安禅寺御開帳。今年は「蔵王堂城史跡をまもる会」の会員として、大晦日から元旦にかけて、お堂の番をしてきました。最近はサイトの年間更新数も非常に少なくなっているところで、この年末年始の御開帳が自分自身のキープアライブのようにも感じています。

場所はJR北長岡駅から西へ1km 金峯神社の隣り。金峯神社はかつて蔵王権現または蔵王堂と呼ばれ、南北朝時代から全国的霊場の中に位置づけられていました。今年は年末から元旦にかけて、早くから大雪・暴風雪に対する警戒が発表されており、例年に比べ二年参りに訪れる方も、非常に少なかったようです。

それでも実際には雪、風ともにさほどの激しさはなく、百八灯籠に照らされたお堂が神秘的に浮き上がっていました。…この百八灯籠、広島から応援に来てくれた若者夫婦や、ジンバブエ、メキシコ、ベネズエラからの留学生が準備してくれたんですよ!

私も年に一度くらいしか内陣には入らないので、お客様にお堂の説明をするという仕事がありながらも、沢山の仏像に囲まれて年越しの時を過ごしていると自然と心がウキウキしてきます。このお堂の中は、入る度に新しい発見があり、何度来ても飽きません。

今回気になったのは大黒様。

以前から「なんか落ち着かないんだよな」と思っていたんですが、ようやくその違和感の意味がわかりました。かなり注意力散漫なタイプなんで、そーゆー間違い探し的なもんは苦手です。

大黒天

この大黒様、蓮台の上に乗っているんですね。正確にいうと、俵の上に蓮台が乗っかっていて、その上に大黒天が立っている。

大黒天は、七福神のひとつにも数えられ、福の神としても馴染みの深い仏像。元々は古代インドでシヴァ神の化身であるマハーカーラ(意味としては「大いなる暗黒」)をルーツに持つ、戦闘をつかさどる神。日本在来の大国主命(おおくにぬしのみこと)と習合し、右手に打ち出の小槌、左手に大きな袋を持ち、俵に乗る姿が一般的になったという。

ところが、大黒天にはいろんなバリエーションがあるのもよく知られた話で、戦闘をつかさどる神としての武装大黒天の像容や、天台密教における大黒天、毘沙門天、弁財天が合体した「三面大黒天」なども見かけることがあります。

で、ここのは俵の上に蓮が乗っている。地味ではあるけども、そんなに見かけるもんでもないような気がするし、だからの違和感。
調べてみると、この蓮台に乗った大黒天は淡路島の八浄寺、茨城県の大輪寺などでも見ることができるようです。

大黒天の掛け軸

そんな話を保存会のおじさんとしていたら「こっちの掛け軸の大黒天は、女なんだよねー」と。あ、ほんとだ。
俵の上に乗ってるし、右手に小槌、左手には袋を持ってるけど観音様みたいだ。像も掛け軸も、ものすごーく古いものってわけでもないっぽいけど、最近”創作”したってもんでもないらしい。

本田不二雄著「へんな仏像」によると、大黒天、弁財天、毘沙門天の3つの顔を持つ三面大黒天は、一般的には豊臣秀吉の護持仏として知られているが、徳川家康もまたこの三面大黒天を護持仏として秘蔵していたんだという。また、東京目黒区の大円寺というお寺には、甲冑に身を包みあたかも毘沙門天のようでありながら、左手には袋を持ち頭上に宇賀神(おじいさんの顔を持ったとぐろを巻いたヘビ)を乗せた形の大黒天が居るという。

  • へんな仏像 / 本田 不二雄 (著)
へんな仏像
今回、かなり参考にしました。異形の大黒天が19頁にわたって紹介されています。
2012年8月の発刊で、今見たところ、Amazonではもう新刊は手に入らない状態のようですね。タイトルから、私のような亜流向けの本のようにも見えてしまいますが、きちんと仏像や仏教について調べたいと思っている人にもオススメできる、数ある仏像本の中でも本当に良書です。
で、おまけに安い。2015年1月時点、Amazonで中古350円くらいからのようです。

そういえばこの安禅寺は、徳川二代目将軍秀忠の側室だった妙徳院が晩年を過ごしていて、徳川家にゆかりが深いし、宇賀弁天の像もある。なんなら、凄く小さい像ではあるけども宇賀神単体の像もあるんだよね。
弁天は古代インドの河神か。水ね。そうか、信濃川か。

なんて、ボケもなくまじめに考えていたら正月なので、酔っぱらいました。
これからも少しづつ整理していこうと思います。モットーは「無理しない」

2015.01.01

安禅寺(あんぜんじ)

仏像 毘沙門天,蔵王権現 他
場所 〒940-0027 新潟県長岡市西蔵王3-3-16
問い合わせ先 蔵王堂城史跡をまもる会 090-3647-7414
拝観時間 不明
拝観期間 大晦日から1月3日までご開帳
拝観料 志納
公式サイト なし

[googlemap lat=”37.466921″ lng=”138.849102″ align=”center” width=”545px” height=”300px” zoom=”18″ type=”G_NORMAL_MAP”]新潟県長岡市西蔵王3丁目2−16[/googlemap]

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“2015蔵王毘沙門堂 Keep Alive” への3件のフィードバック

  1. ロゼッタ より:

    こんにちは。突然すみません。

    こちらのHPを参考にさせていただき、友人と仏像巡りをさせていただいているものです。
    ブログの記事の、『蔵王堂城史跡をまもる会』についての質問です。
    会員になろうかと検討中なのですが、電話をして詳細を尋ねる決心がまだ付いていないのです・・・。
    会員になるための詳細を、会員であるやまざきさんに是非お尋ねしたいのです。
    お返事よろしくお願いします。

  2. gatabutsu より:

    ご覧いただきまして、ありがとうございます。
    『蔵王堂城史跡をまもる会』の会員になるための詳細…ですが、特に資格や規約みたいなものはなかったように思います。
    私はお参りに行った時に説明をしてくださったおじさんにお願いをして入れてもらいましたし、知人ではこのお寺が好きでしばしばお参りに来ていたら声をかけてもらって会に入ったという人もいます。広島の方や海外の方は地域の大学に通われていたようで、行事などをボランティアで手伝ってくれていたみたいですね。

    会員になって「やらなければいけない」ということも特になく、普段はお仕事を定年された会員のかたが、周辺の草刈りや安全柵の整備などやってくださっています。私も普段は仕事や家事があって、常に何かするということはできないので。
    気軽に聞いてみてもよいのではないかなと思います。

  3. ロゼッタ より:

    お返事ありがとうございます。

    近いうちに電話をして、詳細を尋ねてみたいと思います。
    ありがとうございます!

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