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仁王の股くぐりで健康とは知らなんだ

投稿日 2010年1月04日 月曜日

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カテゴリ中越地区の仏像, 秘仏

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 新年二日目。

 お正月なのにテレビには”のいるこいる”がでる気配はなく、とっても暇でしたのでお寺参りをすることにしました。

 長岡市三島は逆谷(さかしだに)というところにある寛益寺(かんにゃくじ)という寺。
 自分の住んでいる町からはさほど離れていないのに、明らかに空気が冷たく雪も多いのです。
 あと、なんか町の様子が寂しくて、ここもちょっと金田一入ってる感じでした。
車で来たのですが、金田一的には無理をしてでも自転車で来るべきだったでしょうか。

 まぁ、田舎によくある風景なのですけれども。

 寺の前に車を停め仁王門へ。なかなかでかくて立派な仁王です。
多分だけど半丈六(2.4m)くらいでしょうか。
 山門の外から頑張って写真を撮ります。

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 うろうろしてたら張り紙がしてあり、仁王を拝観したい人は声かけてくださいとのことです。
 すいまーせんと声をかけ、山門の中へ入れてもらいました。そういや山門の中に入るのって始めてです。

 格子に囲まれた狭い部屋で目の前は巨大な仁王ってんだから、それはもう圧倒されます。
 なんか、悪いことしてないのに「ハハァー」って気分になるのです。
 昔の人もそうゆう心理効果を狙ったんだとしたら、時を越えてまんまと思う壺な僕ってことなのでしょうか。くやしくてなりません。

 あとから教えてもらったんですが、この仁王の股の間をくぐると健康になれるとかなんとか。
 そういや山門周辺をブラブラしてたとき、たまたま居たどっかのおばちゃんが、「この股の間、子供のころくぐったわー」みたいな話してました。
 もっとちゃんと聞いときゃよかったと後悔です。もったいない。

 おまけに、茅葺きの山門を下から見上げると、細工彫りがしてあります。これはなんでも、数年前に葺替えをしたときに、東北の葺師が遊びで彫っていったものとのこと。うーん。これも事前に知っておけばもっと違った見方ができたかもしれません。
こういった細かいところにもいろいろな逸話があるので、寺めぐりなんかはクセになってしまうのです。

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 このお寺には仁王の他にも、御本尊の薬師をはじめ、四天王や十二神将も揃っているとのことです。
 お願いしたところ、ご住職から収蔵庫に案内していただいただきました。

 厨子に入った薬師は秘仏。
 そして両脇を江戸時代作の日光・月光と平安、鎌倉作の四天王が固め、さらにその外側には左右6体づつの十二神将が睨みを効かせています。
 十二神将は平安時代作。

 同じ仲間の四天王でも、鎌倉作と平安作のものが並んでいるとやっぱ面白いのです。
 鎌倉作のものが造形も力強く彫りも細かいのに対して、平安四天王はどことなく滑稽。凛々しい鎌倉仏に比べてどうみても三枚目ですね。上下から顔を押しつぶされたクシャおじさん的な顔なのです。これは、踏まれている邪鬼についても同じでした。平安邪鬼は、なんつーかいろんな意味で「これ以上無理っwww」って感じなのです。

 十二神将も頭には干支を表す動物が乗っかっているんですが、やはり平安仏は細かい彫りができていなく、それがまたカワイらしい味わいを醸し出しています。
 (トラ → ネコ、ヘビ → ウンチ、その他 → おちんちん)

 秘仏の薬師如来は寅年開帳とのことで、なんと今年は12年に一度の御開帳なのだそうです。(5月9日からの3日間)

 ご住職にはいろいろと仏像のご説明などもしていただきました。

 薬師はもともと東の浄土にいる仏様。そして、十二神将の中で東を守るのは寅の大将っつーことで、寅年開帳になったとのこと。記録では江戸時代ごろには、もうこのペースでの開帳になっていたらしいとのことです。
 今の時代は、極楽浄土中心の考えで西を崇めているが(多分、末法思想だかの阿弥陀系の話をしてたんだと思うが)、薬師様は日の登る東をまつっていて、これから頑張っていこうってのが素晴らしいだとなんだのという話だったと思います。

 ご住職や奥様には寒い中いろいろと親切にしていただいて、大変よい参拝でした。

 この日は龍の口から水がジャバジャバでるやつも、水が凍るくらいの寒い日だったのです。

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 ↑ これ、ジャバジャバ部分が凍ってるの。

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