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阿仏房の仁王と佐渡歴史伝説館

投稿日 2014年2月10日 月曜日

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カテゴリ佐渡の仏像

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阿行アップ
佐渡の阿仏房 妙宣寺(あぶつぼう みょうせんじ)には、新潟県内唯一の五重塔が残されています。宗派は日蓮宗。
どこかで見かけたフリーペーパーの仁王像が非常にカッコ良かったので、見に行くことにしました。結論から言うと、己の写真の腕がうんこ過ぎて仁王の良さの100分の1も引き出せず、非常に憤慨しており、ブログ記事でも書こうかと写真を引っ張りだしてくるたびにパソコンのモニタにグーパンチを入れたくなる次第で、こうして丸二年が経過したわけです。

阿仏房

いろいろと面倒です。
まずは「阿仏房」って何?ってところから整理して、自分を落ち着けていかねばなりません。観光ガイドなどを見ていると、あたり前のように阿仏房、阿仏房と書かれているんですが、それが何を意味しているのかさっぱりわからないのです。
調べてみると阿仏房とは鎌倉時代の僧の名前だそうで、承久の乱で佐渡に流されてきた順徳天皇に仕えていた人のようです。その後、流罪となって佐渡にやってきた日蓮の弟子となったのだとか。
妙宣寺は元々は阿仏房の自宅だったので、その結果「阿仏房妙宣寺」とか、寺の名前は省略しちゃって「阿仏房」などと呼ばれているそうなのです。五重塔がある自宅?すげー金持ちやんけ。

日蓮は心霊スポットのイメージ

個人的に、日蓮宗には若干近寄りがたい雰囲気を感じます。
宗派の教えや成り立ちから見仏するべき仏像が少ないってこともあるんだけど、やっぱり新潟で「日蓮」と言えば心霊スポットです。
新潟市の海沿いにあるそのスポット、日蓮が佐渡に流罪になる前に少しの間 身をおいた洞窟だそうなのですが、暇を持て余した学生時分、そこに連れて行かれそうになると「断固拒否」とのプラカードを持ち、近場のホワイトハウスという心霊スポットでお茶を濁してもらうということ度々。なんか石が一杯積んであって、ろうそくユラユラしてるらしくてまじヤバそう。対してホワイトハウスは一家惨殺事件があったとか、便所の鏡に首がない人が立ってるとかで超余裕(おもらしをオムツでカバーしつつ)

ちょっと調べてみたらこの阿仏房でも五重塔の最上階にミイラがいるらしいじゃないですか。それはぜひとも見てみたい。

阿行

布掛け仁王

さて、仁王です。
どこかで見かけたフリーペーパーの仁王が非常にカッコ良かったのです。
非常に均整のとれたプロポーション。仁王門は1677年ごろに作られたもののようですが、仁王もその時期のものでしょうか。躍動感は不足しているものの、京都や奈良などのメジャーリーグでよく見かけるような「絵になる仁王」。特に顔のつくりが素晴らしく、まぶたの辺りのもっこり度や頬骨の張りなどに男らしさを感じます。髪を布で束ねているのが妙にお洒落。
また髪を束ねる布だけでなく、阿行は腹巻き、吽形は前掛けがそれぞれ布で作られています。この布をまとったスタイルの仁王は新潟ではよく見かけるのですが、他県では珍しいのだとか。以前、仁王の写真ばかりを撮り続けている写真家のかたに伺ったのですが、この布掛け仁王は日本海側の寒い地方、特に新潟と山形で多く見ることができるそうです。裸像で寒そうだからとか、潮風や雪から守るとかそんな意味があるんじゃないかとのこと。

一つのテーマを追い続けると、こういった比較ができるようになるのが楽しいですね。
私などは最近のアイドルを見ても皆、同じ顔に見えてしょうがないのですが、やはりアイドル道を極めると「あれは目が違う」とか「彼女は豊胸してる」だとか、「あの娘は実在していない」「本体は昆布」などといった識別もできるようになるのでしょうか?それも楽しそうです。

吽形

佐渡歴史伝説館

日蓮のことをよく知りたいと思ったら「佐渡歴史伝説館」がオススメです。
行ってみるまでは「酒が飲みてぇ、なじみの女に会いてえなぁ」の佐渡金山ロボとすっかり勘違いしていたのですが、こちらもなかなかどうして。県の観光ナビサイトにも「おもしろミュージアム」と書かれてしまうような、おもしろスポットです。

観光地の歴史を紹介するロボットといえば、ぜんまい仕掛けのダッチワイフがテンポの悪いコントをやり続けるというようなものが世の常なのですが、こちらのロボットは非常にリアルで芝居の経験も豊富なようです。処刑されようとした日蓮が突然の雷光によってその難を逃れたという伝説の場面では、侍役のロボが迫真の演技でその場面を盛り上げます。
「げげー、作曲者がまさかの影武者だったとはー」
歴史伝説館
実際にどの舞台も良く出来ているので、佐渡の歴史や文化に多少の興味を持ってさえいれば、かなり楽しめるミュージアムだと思います。

この館には、観光ガイドの紹介写真などにも写り込んでいる、その筋では有名な常連の子どもがいます。あまりに真剣に舞台を見る様子が可笑しくって、可笑しくって、記念に1枚写真を撮らせてもらいました。この子には、早く大きくなって佐渡のボランティアガイドなどに就任してもらいたいものです。
坊主

展示コーナーが終わると売店があります。秘宝館などではこの最後の売店でアダルトDVDが販売されているのですが、こちらでは北朝鮮拉致被害者 曽我ひとみさんの旦那さんであるジェンキンス氏が、名物の煎餅を売っています。彼の無気力感が凄まじく、もうここはロボットで良いのでは?という気分になりました。

2011.11.13

阿仏房妙宣寺(あぶつぼうみょうせんじ)

仏像 仁王
場所 〒952-0303 新潟県佐渡市阿仏房29
問い合わせ先 長安寺(TEL:0259-55-2061)
拝観について 境内自由
拝観料 志納
公式サイト なし
新潟県佐渡市阿佛坊29

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  • 書いている人

    1

    やまざき ふみひろ

    フリーランス仏像愛好家。仏像についてひとことも喋らなくても、誰も困らないくらいのフリーランス。ライフスタイルとしての仏教好き。
    Twitter IDは[ @gatabutsu ]。新潟の仏像話を中心につぶやき中。
    Facebookでは、記事にする前のメモ書きや、美術館・博物館などもうちょい広い話題でやってます。

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