GATABUTSU

長岡の仏像展で取材された

投稿日 2010年6月05日 土曜日

コメント コメント(2)

カテゴリイベント情報など

タグ | | | | |

 あらためて新潟県立近代美術館へと、仏像展 「奈良の古寺と仏像―会津八一のうたにのせて―」 を見に行ってきました。
 国宝 「中宮寺の菩薩様」 の登場に合わせて参ってくるかという感じです。

 実はこの日の朝、ガタブツさんのところに1通のメールが届き、地元テレビ局のBSNさんの取材も受けつつの見仏とあいなったのです。

02 19 35 58


 正面玄関でBSNさんと待ち合わせ、行列の最後尾につきます。私が行ったのは、平日の15時くらいだったんですが、それでも90分待ちの大行列です。行列に並び、国宝とのご対面を待ちわびているガタブツさんの撮影から始まりました。
 奥さんが息子の授乳のために先に館内に入り、私は一人で空のベビーカーを押していたのですが、そんな中年男性を怪しく思ったのでしょうか?一緒に並んでいたおじさまおばさまは、私の周りからすぅぅぅぅっと離れていきます。おかげて、大水槽のなかのジンベイザメがごとくゆったりと行列ライフを楽しむことができました。いやー暑い暑い。

 入場制限がかかっている中、ようやく館内に入れたかと思ったらなにやら後方が騒がしい様子です。どうやら10万人目の来場者に記念品などが贈られている模様。6日前に5万人突破のニュースを聞いたばかりでしたので、かなりのハイペースです。東博で昨年行われた阿修羅展は、61日間の開催で94万人の来場。これは世界一。同じく東博での薬師寺展は、67日間で79万人。一地方都市の新潟で行われた仏像展としては、なかなかの健闘ぶりで注目度の高さがうかがえます。

 朝のラジオで「今日にも10万人」という話を聞いていたので、「我が家がひょっとしたら!」とも思っていたのですが、その願いはかないませんでした。我が家が子だくさんで20人くらいの大家族であれば10万人目をゲットできたのかもしれないし、おまけにテレビの特番にもでれたのかもしれないし、なんだったら野球チームも2チーム作って紅白戦もできたのですが、これ以上私の趣味で家計を圧迫させるわけにはいきません。

 そんなことを考えていたら国宝の菩薩様のところにいましたよ。

 前回見たものは模造だったのですが、やっぱり凄く似せてつくられているとはいえ、本物は違うなという気がします。顔もささることながら、特に”腰つき”が圧倒的に違うのです。
 テレビの前ではあまりはっきりとは申しませんでしたが、まぁ一言で表すならば「エロい」のです。模造のときには絶対に感じるのことのなかった胸騒ぎの腰つきで、その曲線美といったら、背筋がゾクッときてしまい、相対性理論(注:最近のバンドの名前。難しい数式かと思ったら実際に歌詞も難解で、真剣に向きあわなくてばという気にさせてくれるバンド。)の言葉を借りるならば、Loveずっきゅんといった感じ。

 さすがに国宝の腰は違うなと思いました。

 模造の違和感といえばもう一つ。この展覧会では、法隆寺の百済観音の模造も出展されています。こちらも模造とはいえ大変素晴らしい仏像なのですが、「百済観音が一番好きな仏像だ」といっている奥さんは、一目見て「なんか顔がちがーう」と言っておりました。前回訪れたときに私も違和感を感じ、顔は山田太郎であとは坂田三吉だな(注:どちらもドカベンの選手。柔道出身のホームラン王と優勝旗のヒダを売って金儲けを企む名ピッチャー。)と表現したのもあながち間違いではなかったのかもしれません。

 国宝以外の仏像では前回見に来たときのとおり、法隆寺の天蓋天人が可愛らしくてよかったのですが、それ以外では東大寺の阿弥陀如来坐像がとても良かったです。この阿弥陀様、光背がとても素敵で、雲中供養菩薩的な天人が光背に配置されているのです。あまりみたことのない光背だったので、しばらくじっくりと見てしまいました。

 展覧会を見終え、今度は自宅で取材を受けることになりました。お気に入りの仏像写真などがあったほうがよいと言われたので、ちぃっとも整理ができていない資料群の中からごそっと、文字通り棚から一掴み的に写真やパンフレットなどを取り出し、新潟人から見た仏像の魅力について話をしました。
 私のカブトムシ的脳みそと、シーマン的ボキャブラリーではどの程度通じたのかは微妙なところですが、なんだかハイテンションでお話をしたような気がします。

 京都奈良は仏像界のメジャーリーグなんです。鎌倉や滋賀、大阪あたりはプロ野球。それ以外の地域はノンプロなんです。メジャーにはメジャーの、ノンプロにはノンプロの良さがあるんですけど、今回は新潟という仏像界のノンプロリーグにメジャーリーガーが来たようなものなんですよ。例えるならば、マドンナとプリンスが同時に新潟公演するようなものなんです。(例え話の上に例え話を被せてしまって、わけがわからなくなってしまいました。

 今の仏像ブームってのはやっぱり不景気から来てるんです。みんなヨーロッパ、特にイタリアなんかはわかりやすいと思うんですが、ミケランジェロの彫刻や綺麗な町並み、協会の天井画なんかは「素敵だなー、見に行きたいなー」なんて思うわけですよ。でも、不景気でなかなかおいそれと海外旅行なんかには行くこともできない。そんなときに、日本を見渡したら、仏像に限らず浮世絵にしても古民家にしても、「あぁ日本ってやるじゃないか。素敵じゃないか。」なんて、日本の良さを再発見することに繋がったんじゃないかと思うんですよ。(ライバルに森永卓郎をイメージして

 まぁそんなようなことを話したような気もしますし、違うことを話したような気もします。あ、そうそう。ノンプロリーグの見仏は、仏像だけが楽しいんじゃないんです。結局のところ仏像をめがけて行くんだけど、その仏像を長い間守ってきた地域の人達と話しをする、その地域のストーリーを感じることができるってのが、本当に面白いんですよね。新潟をもっと好きになれます。

 まだまだ新潟でも行けてないところは沢山ありますが、いろいろな仏像を見に行きたいものです。
 あー、佐渡リたい。

 放送は、6月7日月曜日18時15分からのBSNニュース内でとのことです。

コメントを残していただけると、読者の反応の改善に役立ちます。自由にコメントしていただいて構いませんが、スパム行為や他人を貶める誹謗中傷などはご遠慮ください。

“長岡の仏像展で取材された” への2件のフィードバック

  1. とおる より:

    おおおお!
    ガタブツさん、TV出演おめでとうございます!

    ノンプロリーグの見仏は、その地域のストーリーを感じることができるってのが、面白い…というご意見には117%同感です!
    しかも地元の仏像について誇らしげに語っておられる、おっちゃん、おばちゃんの表情がまた素敵なんですよねぇ…。

    そんな地元の方の姿を見てしまうと、やれ国宝だ重文だと騒いでいる自分の姿が浅ましく思えてきます…。

  2. ガタブツ より:

    とおるさん。

    ノンプロリーグの監督(おじいちゃん、おばあちゃん)いいですよね。本当に笑顔が素敵で、アルカイックスマイルってこのことじゃないかと思ってしまいます。てか、仏様だろ、じいちゃん、ばあちゃんって感じ。

    僕も当たり前のように京都奈良の国宝、重文から興味を持ったんですけど、新潟なんかのノンプロリーグにはなかなかいないですからねー。ランディジョンソンやイチローは。気分はスカウトマンです。

    その分、地元の人と話しをしたり山の風景に癒されたりと、違った楽しみを覚えました。
    なかなか地方見仏も楽しいですよー。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

Loading
  • カテゴリー

  • 最近の投稿

  • おすすめ

    • 壊れても仏像―文化財修復のはなし
    • 飯泉 太子宗
    Image of 壊れても仏像―文化財修復のはなし

    仏像修復をおこなっている飯泉太子宗氏の仏像修復に関するエッセイ。
    今、仏像に関する書籍は数多く出版されていますが、この本のような視点から書かれた本はあまり多くなく、いくつかのお寺を訪ねて仏像を見て回ったあとは、ぜひこの本を読んでみることをおすすめします。

    新潟に限らず地方の仏像を見て回っていると、宗教や美術品という見方とは一線を隠した独特の"信仰"という感覚を感じることがあります。
    仏像はその土地に昔から住んでいた人を繋いでいる、リレーのバトンだと思うんですが、それがこの本を読むとスッと入ってくる。
    数ある仏像関連書籍の中で、一番好きな本です。

    • 般若心経絵本
    • 諸橋 精光
    Image of 般若心経絵本

    絵本作家でもある長岡市にある千蔵院のご住職、諸橋精光氏の著書。
    タイトルのとおり般若心経を概念を絵本の世界で表していて読みやすく、その世界観をうまく表しているという実感があります。絵を見ながら般若心経の文字を読んでいるとスッと心が落ち着く瞬間があり、何度も読み直しました。

    • 見仏記〈2〉仏友篇 (角川文庫)
    • いとう せいこう, みうら じゅん
    Image of 見仏記〈2〉仏友篇 (角川文庫)

    仏像鑑賞本の定番、みうらじゅん氏といとうせいこう氏の見仏記第二弾です。
    当たり前だけど、仏像って宗教に密接に関わってるし、お作法とかも難しそうで敷居が高そう...と思っている人は、是非、この本を読んでみてください。そしてこの二人の、一見ふざけた仏像鑑賞の旅の裏に流れている仏像への愛がわかるようになったら、仏像を「見る」と言うことにも抵抗がなくなるかもしれません。

    新潟のお寺からは、宝伝寺、明静院、西照寺、長安寺、長谷寺、国分寺、昭和殿、慶宮寺がエントリーしています。

    • 晴れた日は巨大仏を見に (幻冬舎文庫)
    • 宮田 珠己
    Image of 晴れた日は巨大仏を見に (幻冬舎文庫)

    全国の大仏がある風景を全力で脱力しながら見て回るエッセイ。
    一見脱力していながらも、練られた構成と鋭い視点で綴られた旅の話は、仏像好きではなくとも楽しめます。

    新潟からは、越後の里の親鸞聖人大立像と、弘願寺の屋上に立つ弘法大師像が登場。どちらも不意にぬっと現れる新潟屈指の大仏です。

    • 見仏記4 親孝行篇 (角川文庫)
    • みうら じゅん, いとう せいこう
    Image of 見仏記4 親孝行篇 (角川文庫)

    みうらじゅん氏といとうせいこう氏の見仏記第四弾です。
    今度は、親孝行編ということでそれぞれのご両親を連れた親子見仏の旅。新潟は海も山もあるし、ご飯も魚もお酒も美味しいし、温泉も沢山あるし東京からもアクセス良いし、親孝行にはもってこいの県ですな。

    新潟のお寺からは、観音寺、善行寺、西生寺、国上寺、浦佐毘沙門堂、西福寺、円福寺がエントリー。日本最古と最新の即身仏や、あまり仏像形式では見ることの出来ない浦佐毘沙門堂の常瞿梨童女(じょうぐりどうにょ)に両氏が出会ったエピソードなども綴られています。

  • 書いている人

    1

    やまざき ふみひろ

    フリーランス仏像愛好家。仏像についてひとことも喋らなくても、誰も困らないくらいのフリーランス。ライフスタイルとしての仏教好き。
    Twitter IDは[ @gatabutsu ]。新潟の仏像話を中心につぶやき中。
    Facebookでは、記事にする前のメモ書きや、美術館・博物館などもうちょい広い話題でやってます。

    mail
  • Meta

  • Facebook

  • ガタブツ