2011年12月08日 木曜日
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佐渡へ行くプロは、船に乗り込むと同時にどこからともなく毛布を持ってきてくるまるようなのです。
新潟県民の私、37歳にて初めての佐渡体験です。泊まるほどの金銭的余裕はなく、朝一の便で6時出港、最終22時半新潟港着の便で帰ってくるという、なかなか目一杯満喫なハードプランとなりました。 (続きを読む)
「頭の中でどうにも収まりのつかないものとの出逢いは、困惑をもたらすものでしかないが、同時に、沸き立つような好奇心を刺激する存在である。」(まえがきより)
私が仏像にハマったキッカケとも言える感情を、まえがきの一文で見事に表現しています。 本書は、日本全国にちらばる異形の仏像・神像を中心に約60体を紹介。仏像を求めてあちこちに出かけていくと、時折、理屈ではわからないおかしな仏像に出会うことがあります。そんなとき思う。「これは何を意味しているんだ?どうしてここにいるんだ?」と。不思議なものがそこにあり、そしてそれを長い年月の間、受け継いできた人々がいる。その時代の流れに少し触れられることが楽しい。そんな見仏のモチベーションを掻き立ててくれる写真が沢山掲載されています。
新潟からは加茂市双璧寺の元三大師坐像と、栃尾のほだれ大神がエントリー。 「国宝・重文の仏像に言葉はいらないが、異相の神仏像には理由がある。」(あとがきより)
仏像鑑賞本の定番、みうらじゅん氏といとうせいこう氏の見仏記第二弾です。当たり前だけど、仏像って宗教に密接に関わってるし、お作法とかも難しそうで敷居が高そう...と思っている人は、是非、この本を読んでみてください。そしてこの二人の、一見ふざけた仏像鑑賞の旅の裏に流れている仏像への愛がわかるようになったら、仏像を「見る」と言うことにも抵抗がなくなるかもしれません。
新潟のお寺からは、宝伝寺、明静院、西照寺、長安寺、長谷寺、国分寺、昭和殿、慶宮寺がエントリーしています。
みうらじゅん氏といとうせいこう氏の見仏記第四弾です。今度は、親孝行編ということでそれぞれのご両親を連れた親子見仏の旅。新潟は海も山もあるし、ご飯も魚もお酒も美味しいし、温泉も沢山あるし東京からもアクセス良いし、親孝行にはもってこいの県ですな。
新潟のお寺からは、観音寺、善行寺、西生寺、国上寺、浦佐毘沙門堂、西福寺、円福寺がエントリー。日本最古と最新の即身仏や、あまり仏像形式では見ることの出来ない浦佐毘沙門堂の常瞿梨童女(じょうぐりどうにょ)に両氏が出会ったエピソードなども綴られています。
仏像修復をおこなっている飯泉太子宗氏の仏像修復に関するエッセイ。今、仏像に関する書籍は数多く出版されていますが、この本のような視点から書かれた本はあまり多くなく、いくつかのお寺を訪ねて仏像を見て回ったあとは、ぜひこの本を読んでみることをおすすめします。
新潟に限らず地方の仏像を見て回っていると、宗教や美術品という見方とは一線を隠した独特の"信仰"という感覚を感じることがあります。仏像はその土地に昔から住んでいた人を繋いでいる、リレーのバトンだと思うんですが、それがこの本を読むとスッと入ってくる。数ある仏像関連書籍の中で、一番好きな本です。
絵本作家でもある長岡市にある千蔵院のご住職、諸橋精光氏の著書。タイトルのとおり般若心経を概念を絵本の世界で表していて読みやすく、その世界観をうまく表しているという実感があります。絵を見ながら般若心経の文字を読んでいるとスッと心が落ち着く瞬間があり、何度も読み直しました。
やまざき ふみひろ
フリーランス仏像愛好家。仏像についてひとことも喋らなくても、誰も困らないくらいのフリーランス。ライフスタイルとしての仏教好き。 Twitter IDは[ @gatabutsu ]。新潟の仏像話を中心につぶやき中。 Facebookでは、記事にする前のメモ書きや、美術館・博物館などもうちょい広い話題でやってます。