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報恩寺の阿弥陀さんの前でいろいろと思う

投稿日 2012年1月24日 火曜日

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カテゴリ中越地区の仏像, 秘仏

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柏崎市報恩寺阿弥陀如来

2012年最初の見仏は柏崎市の報恩寺へ伺ってきました。
でかける直前までは別のお寺に行くつもりだったのですが、何の気なしに本をパラパラと眺めていたら、こちらのお寺の阿弥陀様は大晦日と元旦のみご開帳だとか。
これも何かの縁だと思い、早速こちらのお寺へと予定変更しました。当初行くつもりだったお寺は、三が日の間ご開帳しているはず。

場所は長岡市方面から柏崎市へ向かい、曽地峠を下ってすぐのところ。この場所は非常に思い出深いところなのです。
昨年は東日本大震災によって東北地方は非常に大きな被害をうけました。今まだ大変な状況が続いていることと察しますが、この地域も2007年の中越沖地震では非常に大きな被害をうけたところです。

地震があった2007年の7月は、今の会社に転職してきて1ヶ月ほど経ったくらいのころでした。
その3年前に起きた中越地震以来、首都圏に目を向けた仕事ではなく、もう少し地元に足をつけた仕事をしたいと強く考えるようになって、新潟を中心に仕事をしている現在の会社に転職してきました。そんな折に起こった中越沖地震。
私の働いている会社は、災害時などには比較的最前線のほうで働く業種でもあり、周りの社員が忙しく復旧工事に出かけている中、全く違う業種から転職してきた私は即戦力とはならず、悔しい思いをしたものです。

そんなときに連れてきてもらったのが、このお寺のすぐ近くにある曽地峠の現場。雨の中、作業をしている先輩社員の後ろについて、荷物運びやらの手伝いをしたことを覚えています。それくらいしか出来ることがない。

崩れた崖によって道は寸断され、というか道そのものが真っ二つに割れ、地面はみたことのない歪み方で固まっていました。峠の下を流れる小川は濁流となり、折れた電信柱が飲み込まれている。中越地震のときは暫くのあいだ山間部には近づかなかったので、目の前のこの光景にはとても驚きました。

阿弥陀三尊

お寺に到着したのが12時を少しまわったあたり。
ちょうどお昼時にかぶってしまったにも関わらず、拝観のお願いをしたら大変親切に案内していただきました。

この日は新年一発目ということもあり、久々に息子ちゃんと二人でのお寺参り。奥様からはえびせんやおせんべいなどのお菓子をいただき、おふたりのお子さんには楽しく遊んでもらいと、息子も非常に喜んでいました。
1歳のころはお寺やお堂に連れてくると、その静けさや薄暗さに泣き出すこともあったのですが、最近ではすっかりお寺にも慣れてきた息子。今年初の「なむなむ~」をいただきました。

こちらのご本尊は阿弥陀さん。大晦日と元旦のみのご開帳です。
お寺自体は、901年ごろの創立ですが、本堂は過去3度ほど火災にあっていおり、ご本尊も3代目とのことです。
現在の本堂は1841年ごろに再建されたもので、阿弥陀さんはその少し前につくられたものだとか。
細い指の綺麗な阿弥陀さんでした。

阿弥陀如来

中越沖地震では厨子から飛び出してしまい、両手首が折れてしまったとのことですが、現在は修復されたようです。

昨年の災害発生時からことあるごとに耳にする「自分のできることをやろう」的なセリフ。でも、冷静になってみると自分でできることなんてそうそうありはしないって現実に、結構悩みます。自分と家族が笑って暮らせる環境を維持するだけで、精一杯ですよ。それでもいろいろなことを忘れずに、少しづつ前に進んで行こうと、まさに新年早々気の引き締まるようなお参りでした。
出かける前に本を読んで、これはなにかの縁があるなと感じたのはこのあたりだったのかな。

2012.1.1

報恩寺(ほうおんじ)

仏像 阿弥陀如来立像
場所 〒945-0214 新潟県柏崎市曽地1541
問い合わせ先 報恩寺(TEL:0257-28-2223)
拝観時間 要連絡
拝観期間 要連絡
拝観料 志納
公式サイト なし

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