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木喰タクシーで寶生寺へ

投稿日 2010年11月08日 月曜日

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カテゴリ中越地区の仏像, 木喰

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 11月いっぱいで木喰タクシーが終わってしまうので、やっとこさ出掛けてきました。

木喰タクシーの案内板(長岡駅)

 木喰タクシーとは何かというと...
 長岡駅発着の予約制乗合タクシーで、駅から木喰の西国三十三観音が居る長岡市白鳥町の寶生寺(宝生寺)まで、なんと100円という破格の値段で往復してくれる観光タクシーなのです。

 予約時間少し前にタクシーに乗り込み、寶生寺へ向かいます。寶生寺へ伺うのは2年ぶりの2回目、前回伺ったときは、とても暑い夏の日でした。

 お寺へ向かう道中も、タクシーの運転手さんから、いろいろな長岡の名所やイベントについてのお話を聞くことができて、とっても楽しい。この木喰タクシー、市内のタクシー会社さんが持ち回りで配車を行っているそうなのですが、今回担当してくださったカンコーさんは、全員、木喰についても説明できるように社内教育をされているそうです。この日の運転手さんは、個人的にも木喰さんがお好きなようで、木喰トークで盛り上がりました(笑)

 お寺に到着すると、収蔵庫兼木喰堂は大混雑。丁度、20名ほどの団体さんと長野からのお客さんに、ご住職が説明をされているところでした。ご住職のお話では、今は第三次木喰ブームだそう。第一次は、木喰を世に広く紹介した柳宗悦さんの時代、第二次は五来重さんが「微笑仏―木喰の境涯」をいう本を出版した時代、そして今の第三次ブームだそうです。

寶生寺 木喰堂

 こちらには、西国三十三観音像(うち1体は明治の火災の際に盗難に遭い、現在32体)と自刻像が残されています。30体を超える木喰仏の群像は、寶生寺を含めた新潟の4カ所でしか残っておらず、その圧倒的な迫力と、それでいてほっこりと落ち着く空間には、驚かされます。
 この33体の仏像は、一本のイチョウの木から彫り出したそうなのですが、上前島金毘羅堂にある36体の木喰仏は、こちらの33体を彫り出した残りのイチョウの木で彫ったとのこと。とても大きな木だったんでしょうね...(ちなみに現在は、このイチョウは残っていないそうです)

 木喰87歳 円熟期の作で、仏像としての彫りも見事。長野からお参りにいてきたおじさんは、「雰囲気は小栗山の木喰観音堂だけど、彫りは寶生寺の木喰が最高だ!」と熱く語っておられました。

寶生寺西国三十三観音と自刻像

寶生寺 如意輪観音

寶生寺 馬頭観音

※特別に許可をいただいて撮影をしました。通常は撮影禁止です。

 木喰の自刻像は、他のものと違って何やらツルツルしているので、気になってご住職に伺ったところ、その昔はこの自刻像で占いのようなものをしていたらしい。お願いごとをしながらこの木喰仏を持ち上げると、願いがかなう場合には軽く持ち上がるんだそうです。みんなに愛されている木喰仏らしくて、素敵です。なんだか、願掛け石みたいですね(笑

 この木喰タクシー、11月末までの土・日・祝日に運行。まだまだ間に合います!興味のあるかたは、是非。

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