GATABUTSU

美白の祖 白馬大仏

投稿日 2010年11月01日 月曜日

コメント コメント(2)

カテゴリ上越地区の仏像, 大仏

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 この日は富山の発電所美術館というところまで、ヤノベケンジ×ウルトラファクトリーの「MYTHOS(ミュトス)」展を見に行ってきました。

 その帰り。

 高速道路を糸魚川ICで降り、国道148号を長野方面に向かいました。目指すは白馬大仏。

 白馬大仏という名前から、スキーで有名な長野県の白馬村にあるかと思いきや この大仏、その遥か手前の新潟県糸魚川市にあります。白馬乗鞍まで33kmという看板を横目で見つつ、車を走らせました。

 山間の道を車を走らせ、長いスノーシェッドを抜けてもなかなか大仏は見えてきません。雪の降らない地方の皆様、スノーシェッドって何かわかりますか?簡単に言いますと、車用の雁木通りなんですね。と言っても、雁木通りがわかりにくいですよね。もっとわかりやすくいうと、車用のアーケードなわけでして、山から落ちてくる雪や岩石から道や車を守るために設けられた、道路の屋根なのです。雪国すげぇ、山すげぇ。

 で、とにかくここのスノーシェッドは長い。自分の居場所に自信がもてなくなって、不安になるくらい長いのです。というのも私、結構な方向音痴でして、おまけに私の車、ナビはついてないのです。

 でも今日は大丈夫、アイフォーンがあるからね。
 
 と、目に入った道沿いの休憩所で、おもむろにiPhoneを取り出し現在位置を確認しました。
 ...どうやら 目的地への曲がり角は既に通り過ぎていた模様。まさに不安的中で、「この不安的中能力を、道を的中させる方面に利用したい所存」とか思いながら、参考にと持ってきたワンダージャパン開くと、JRの駅からどーのこーのと書いてあります。能力以前に情報処理不足。

 そういえばスノーシェッドの手前に駅があったなと、道を引き返しました。しかし、駅にたどり着くも、大仏への道はここにはなさそう。
 ホームの橋にヘルメットを被って佇んでいたおじさんがいたので、かけよって「大仏知りませんか?」と尋ねたのですが、「私、地元の人間じゃないので...」と、残念な答えが返ってくる始末。1日の平均乗車人数2人(2008年時点/Wikipedia情報)の、駅のホームの片隅で、地元の民でもないのにじっと直立不動なアナタこそ、白馬大仏を名乗ってもよいのではないかと私は思いましたよ。

 もう一度、ワンダージャパンを開きました。

 どうやら目印の駅は、JR平岩駅。今、僕がいる駅は、小滝駅でひとつ手前の駅のようでした。

 あー、引き返してくる必要なかったんですね。方向音痴には何を与えても無駄なようです。

 もう一度ながーいスノーシェッドを抜けてしばらくいくと平岩駅への看板が見えました。いつも辛抱が足りない私です...
 
 駅の階段におばあさんが座っていたので、車を停めて道を尋ねたところ、目の前の道をまっすぐ行けば すぐに大仏は見えてくるとのこと。「人が居たら尋ねろ」が、私の地方見仏のモットーです。

 気づけば駅前に看板もありました。「看板があったら見ろ」も、私の地方見仏のモットーです。割と普通。

 お湯から首だけを出したご婦人の視線を、一点に集める白馬大仏様。

周辺ガイド

 おばあさんありがとうと、車を進めると...居ました。図らずとも、トリックアート的に、屋根の上に座った大仏様のようになっていますが、これも大仏様の偉大なるお力がゆえ。人間の目に錯覚を起こさせるぐらいたやすい御用で、実際には山肌に鎮座されております。

出てきた1

 さらに車を進めると、当たり前のように白馬大仏さんが近づいてきます。「あまりまえのようなことを疑え」...でも、結局のところは当たり前に近づいただけのこと。白く輝くそのお顔は、まさに「晴れた日は巨大仏を見に」の著者である宮田珠己さん曰くのところの「ぬっ」とした感じで、山の緑の中に映えています。

出てきた2

 大仏目の前にあった広場に車を停め、お参り。なんでも、この広場には数年前まではホテルが建っていたらしい。
 十数年前まではホテルの前に、糸魚川と長野とを結ぶ主要国道が通っていたのですが、平成7年の土砂崩れとともに行き止まりとなったままの模様。おまけに、新しくつくられた国道は、大きくこの場所を迂回して通ることとなってしまい、また、同じ時期に温泉もでなくなってしまったがために、この地を訪れる人は年々少なくなり、ホテルも廃業してしまったようです。

 大仏様は、なんというか結構ギリギリな感じのお顔。色あせたルージュが、かつての栄華と繁栄の時代を感じさせます。

こうやってみると割と普通

あごひげか汚れか判別できない

 大仏の周りには、みたことのない極悪非道な色をした毛虫が沢山いました。頭とお尻がオレンジで残りは黒で毛むくじゃらとか、マジ恐ろしげだったのですが、これはこのあと自分に襲いかかる災いを暗示していたのかもしれません...

 大仏の背面には扉があり、昔は胎内めぐりもできたらしいです。ネット上の記録をたどった感じでは、2002年くらいまでは入ることができたのかな?今は錠前がかかっていました。

バックショット。肛門も見える。

 大仏の脇には、反省の鐘が。鐘をつくには財宝箱へ100円入れる必要があるようです。

 しばし、「反省の鐘」と「財宝箱」いう2つの言葉の響きに違和感をおぼえ、その場で考え込んでしまいました。反省...財宝...反省...財宝...なんか不協和音...

反省の鐘全景

反省の鐘

 爪が正面を向いているのは、鎌倉の大仏と一緒ですね。お顔の雰囲気こそ違えと、背面から見たところのちょっと猫背で広い背中といい、モデルは鎌倉の大仏なのかもしれませんね。

爪が正面をむいてるのは鎌倉大仏といっしょ

 そして避雷針。やっぱり避雷針を見ると落ち着きます。荒れ狂うカミナリをその身で受け止めてこその大仏様。身を挺して土地を守ってる感が出ていて、とても良いです。丸顔にとがった避雷針がゲゲゲの鬼太郎っぽくもあり、妖怪アンテナにも見えます。

妖怪アンテナではない。

 お参りを済ませてさて帰ろうとしたところ、フイに現れた大型犬に追いかけられて大変な目に遭いました。「あっ!」と気づいた瞬間には、犬の顔が肩口のところにあり、「うわぁぁぁぁぁ~~~\((;◎_◎)/」といった漫画のようなセリフを叫び、逃げまどいました。車の中で、追いかけられている私の姿を見ていた奥さん曰く、本当に「のび太くん」のようでしたと。みなさん、犬にはご注意を。

 奥さんが漫画を書いてくれました。こんな感じだったようです。

白馬大仏前で大型犬に追いかけられる僕

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“美白の祖 白馬大仏” への2件のフィードバック

  1. ranken より:

    こんにちわ、はじめまして!
    私は最近白馬大仏の存在を知ったのですが、あの寂しい感じの雰囲気がなんとも言えないなあと思っていました
    ここ最近新しい情報がなかったので、現状を知れて嬉しかったですw

    犬は災難でしたね〜…でも絵が面白いですね!w

  2. gatabutsu より:

    rankenさんはじめまして。
    私も白馬大仏のことは最近しったのですよね~。胎内巡りができる時代に出会いたかったですw

    >犬は災難でしたね〜…でも絵が面白いですね!w
    ほんとにあんな感じだったようですw 自分でも、自覚ありますw

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    でも、地方の宿だったりすると意外とネットワークの接続には有線の環境しか用意されていない場合があったりで「あとひといき!」ってこともよくある。そんなときに限って、携帯の電波は届かなかったりするし。

    そんなときに、このWi-Fiポケットルータをひとつ持っていくとすごく便利です。ネットワーク環境を自動で判別してルータモードとアクセスポイントモードを自動切換えできるし、無線対応していないテレビなんかを無線にできるコンバータモードも搭載しているんで、とってもお得。
    小さいから荷物にもならないし、旅のお供に最適です。

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    新潟からは加茂市双璧寺の元三大師坐像と、栃尾のほだれ大神がエントリー。
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    一見脱力していながらも、練られた構成と鋭い視点で綴られた旅の話は、仏像好きではなくとも楽しめます。

    新潟からは、越後の里の親鸞聖人大立像と、弘願寺の屋上に立つ弘法大師像が登場。どちらも不意にぬっと現れる新潟屈指の大仏です。

  • 書いている人

    1

    やまざき ふみひろ

    フリーランス仏像愛好家。仏像についてひとことも喋らなくても、誰も困らないくらいのフリーランス。ライフスタイルとしての仏教好き。
    Twitter IDは[ @gatabutsu ]。新潟の仏像話を中心につぶやき中。
    Facebookでは、記事にする前のメモ書きや、美術館・博物館などもうちょい広い話題でやってます。

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