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突然現れた巨大親鸞聖人像

投稿日 2010年7月23日 金曜日

コメント コメント(2)

カテゴリ下越地区の仏像, 大仏

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 胎内市に来たら、是非とも見てみたい仏像がありました。

 越後の里というところにある、親鸞聖人大立像です。

 親鸞聖人はお坊さんなんで、正確には仏像ではなくって人の像だったりもするのですが、もうここは大仏でいいでしょう。高さは40mほどで、人間の像(仏様ではない)としては日本一の大きさなのではないかと言われているそうです。

 私の車にはナビはついていなく、iPhoneのマップで検索した大体のルートを頼りに、聖人像を目指します。
 40mもあるのだから、遠くからでもさぞかし目立つだろうと思っていたのですが、出会いは突然に訪れました。
 右手にはとうもろこしなどがうわっている畑、左手には防砂林という直線道路を走りつつ、「海岸線の風景ってこんな感じのところが多いよね」なんて話しをしていたのですが、その防砂林が途切れたところで突然聖人が現れたのです。
 防砂林でうまく遮られていた視界が突如開け、現れた巨大なおっさん像。あまりの唐突さに、漫画みたいに「うわぁぁぁ」っと大声をだしてしまったワタクシ。なにか、昔観た怪獣だか恐竜だかの登場する特撮映画のワンシーンに自分が飛び込んでしまったような、そんな感覚を味わいました。

なんかおかしい光景

 私は仏像が好きですが、なんでもかんでも「ありがたや~」とか「素晴らしいお姿が~」などというつもりはありません。”おかしいものはおかしい”、”面白いものは面白い”と言える仏像好きでありたいと、常日頃から思っています。

 そして、正直これは気味が悪い。

 はじめてこのテのものを見て気味が悪いと感じたのは、新潟から北陸周りで京都へ向かうの在来線の中でした。加賀温泉駅で停車したその車中から見た加賀大観音という大仏。それは、なんともいえない不気味な光を放っていて、「これから向かう仏像の本拠地は、こんな不気味なのがうじゃうじゃしとるんかいな...」と、慣れない土地へ向かう自分を不安にさせるには、充分過ぎる存在でした。

 そしてまた、生まれ故郷の新潟で味わうこの、気味の悪さ。

 日本には2010年の今現在、高さ40mを越す大きさの大仏は15体存在しているそうなのですが、この親鸞聖人像もそのうちの1体です。そのテの珍スポ好きの間でも非常に有名な大仏らしく、私の手持ちの本だけでも、「ワンダーJAPAN (12) 特集 北陸ワンダー」や「宮田珠己著 晴れた日は巨大仏を見に」の2冊で紹介されていました。

 大仏が建っている敷地内は、見るからに廃墟のよう。その昔は、この大仏を中心に温水プールやドーム球場などが揃う一大レジャーランドをつくる計画があったらしく、そこかしこにその名残を思わせる謎の残骸などを見ることができました。
 大仏を照らすライトアップの装置、謎シャチホコ、見事な骨組みの小さなドームや壊れかけのレイディオ、はては陶芸教室まで。本当は壊れかけのレイディオはありませんでした。

巨人をライトアップするはずだった

しゃちほこはテーマパークらしさ

何をつくろうとしてたのか?

陶芸教室があったのか

 大仏の足元には扉があり、昔は中を登って頭部まで登ることができたようなのです。しかし、今は閉鎖されているようでした。(去年の春あたりの段階では、まだ登れたような記録を見つけることができましたが、いつ閉鎖されてしまったのでしょうか。おしいです。)
 ひょっとしたら、開くかな?と思い、扉を押してみたのですが、中でガラス戸がギシギシときしむような音がして、恐怖この上有りません。

巨大ロボへの入り口(閉鎖

 セクシーショットも撮影してみました。

真下から望む聖人

 ぐるっと大仏の周りを一周すると、避雷針を見つけることができました。やはり避雷針を見ると親近感がわきますね。身を呈して恐怖の高電圧から下々の民を守ってくれてるわけです。そう思いましょう。

背中をはう避雷針

避雷針を見ると落ち着く

 この敷地内、どう控えめに見積もっても廃墟にしか見えなかったのですが、意外と人の出入がありました。
 同じ敷地内に平屋建ての建物があるんですが、たまにすぅぅぅぅぅぅっと駐車場に車が入ってきては、ひっそりと人がこの建物の中に吸い込まれていく感じ。どう見ても、家族連れが休日を楽しみに来ているようには見えない。(そんなの我が家だけと思っている。)
 そんな気配を感じつつも、駐車場に停めた車の中に奥さんと息子ちゃんを置いて大仏を見て回っていた私。車の出入があるたびに「もしや、何か得体のしれない密会がおこわなれているのでは!?奥さん、気をつけてっ!」と、思い恐怖していました。

 結局のところ車には一度も戻らなかったんですけども。お父さんしっかりー!

西方の湯(だと思う)

駐車場入口の看板

 実際には、「西方の湯」と看板に書かれた隣の温泉施設らしき建物は、稼働しているらしいのです。

 私はいつも、だいたいのことだけを確認して、予備知識はあまり入れずにふらふらとでかけてしまう...というか、めんどくさいのと、行けばなんとかなるだろうという楽観的思考のため、家に戻ってくるまで忘れていたのですが、先に紹介したワンダーJAPANに、この施設の詳細な記事が書かれていました。
 その記事によるとこの西方の湯には、「この親鸞聖人像を一人で創り上げたおじさま」もいらっしゃるそうで、温泉自体も、またおじさまのお話自体もかなりのワンダーぶりのようなのです。

 そういえば、親鸞聖人様には子供のころから馴染みがありました。浄土真宗系のお寺が経営している保育園に通っていた私は、なにかのイベントごとに「親鸞様のお目見えにー」なんていう歌を歌わされていたのです。しかもそれだけでなく、実家の近くの浄興寺は親鸞聖人の頂骨や遺品なども収められている有名なお寺。ここでよく遊んでいたワタクシ。
 
 まさかこの年になって、このような形で改めて親鸞様とご対面するとは、当時の自分には思いもよらなかったことでしょう。

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“突然現れた巨大親鸞聖人像” への2件のフィードバック

  1. とおる より:

    あああ、こ、これは・・・。

    仏像は好きだけれど、ビッグ仏はニガテな僕。
    ドライブの途中とかで、知らずにこの方に出くわしてしまったら、恐怖のあまりその場で卒倒してしまうことでしょう・・・。

    しかもこの周辺の廃墟っぷり・・・。
    もうちょっと何とかならなかったのかなぁ…。うー、うー。

    この光景。町田康さんの「けものがれ 俺らの猿と」に出てくる大仏の場面に似てる気がします・・・。

  2. ガタブツ より:

    この大仏に関しては、「本やWebなんかで紹介されてる面白いものを見てこよーーー!」って軽い気分で見に行ってきたんですが、
    視界に現れた瞬間、マジでビックリして大声をだしてしまいました。あぁ、やじうま根性でごめんなさい!とw

    海岸沿いのだだっ広いところに、突然40mの人間が現われると、ほんと恐怖ですよね。思ってた以上にでかく見えました。
    (そしたら、牛久とかすっごくデカイってことですよねー。そっちも見に行きたいわーw)

    ワンダーJAPAN読み返したら、日帰り温泉の中も面白そうだったので、また機会をつくって行ってきます!(w

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    今、仏像に関する書籍は数多く出版されていますが、この本のような視点から書かれた本はあまり多くなく、いくつかのお寺を訪ねて仏像を見て回ったあとは、ぜひこの本を読んでみることをおすすめします。

    新潟に限らず地方の仏像を見て回っていると、宗教や美術品という見方とは一線を隠した独特の"信仰"という感覚を感じることがあります。
    仏像はその土地に昔から住んでいた人を繋いでいる、リレーのバトンだと思うんですが、それがこの本を読むとスッと入ってくる。
    数ある仏像関連書籍の中で、一番好きな本です。

  • 書いている人

    1

    やまざき ふみひろ

    フリーランス仏像愛好家。仏像についてひとことも喋らなくても、誰も困らないくらいのフリーランス。ライフスタイルとしての仏教好き。
    Twitter IDは[ @gatabutsu ]。新潟の仏像話を中心につぶやき中。
    Facebookでは、記事にする前のメモ書きや、美術館・博物館などもうちょい広い話題でやってます。

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