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小国町のマリア地蔵はお堂を改修中

投稿日 2010年6月16日 水曜日

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カテゴリ中越地区の仏像

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 近くを通ったので、小国町のマリア地蔵がいるお堂の様子を見に行くことにしました。
トンネルを抜け、近くの空き地らしきところに車を停めて歩き出します。

 のどかな風景の中テクテクと歩いていくと、おや?小高い丘の上に見えるお堂は、2年前に来たときと明らかに様子が違います。遠目には、建て替えをおこなっているように見え、なんだか新しい木材の色が目に入ってきました。

お堂が建て替えするらしい

 石段を登ると、やはりお堂は建て替え最中の模様。トーアさんの工事看板が見えます。
 お堂の前には、地元の工事業者さんらしきおじさんが二人座っていたので話を聞いてみたことろ、なんでもこの辺りは人口流出や高齢化が進んで、雪下ろしをはじめとしたお堂の維持管理が大変になってきたとのこと。去年の大雪は大変だったらしい。
 「いっそのことブチ壊そうか」という話も出たらしいのですが、おじいさんおばあさんから「是非残したい」という要望があり、それならと除雪もしやすいようにコンパクトに建て替えをすることになったそうです。

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 お堂の扉はいつも締め切られているんですが、工事ということもあって開け放たれていました。外側から見たお堂は昔の面影もなく、真新しい木の色で作り替えられていたんですが、天井だけは昔のものをそのまま生かして建て替えるようです。

 200年もの間そこに建っていた、名も無きお堂。

 写真で見てわかるように、ちょっと珍しい天井の組み方で「忍者屋敷みたいだろー。立体的に見えるけど、実は平らな天井なんだよ。」と説明してくれました。確かに錯視するような、面白いデザインですね。

建て替えだけど天井は残して

 お堂の中には3体の仏像があったらしく、「1体は色を塗り直して修理したんだけどさー、残り2体はお金がなくってさー、寄付を募るらしいよー。集落の人間でお金出し合ってやってるからさ、あんまり出せないんだよ。」と教えてくれました。お堂の修復後は、仏像も一般に公開して寄付などを募るということらしい。仏像の修復方法については2つの考えかたがあるようなんですが、色を塗り直したってことは、文化財的修理ではなく仏具屋的修理をおこなったようですね。
 建て替え時のエピソードなど聞いても、このお堂は地域においての信仰対象となっているようですから、そういった方法を望まれたんでしょう。

 このお堂には、マリア地蔵と呼ばれる地蔵があります。その昔、この集落には隠れキリシタンのおばあさんが住んでいたそうなんですが、朝晩こっそりと錫杖に十字架が彫られたこのお地蔵さんを拝んでいたそうなんです。
 十字架は雨風にさらされているせいか、うっすらとしか確認できず、2年前に来たときよりも確実に風化しています。そういや、新潟の仏像めぐりをはじめた日に、このお堂を訪ねたんでした。いやー、なんか時間の流れを感じます。

キリシタン地蔵

 ところで、なんでキリシタン地蔵じゃなくってマリア地蔵なんでしょうね。なんか、マリアって女性のイメージするし、実際マリア像って女の人だし、だいたい聖母マリアってくらいだからおっさんだったら、困るじゃないですか。反面、地蔵はどうしたっておっさんのイメージありますよね。いくら仏様が性別ないっていったって、地蔵がマリアってのはなかなかどうしてしっくりきません。100歩譲ったとしても、夏目雅子の三蔵法師くらいです。地蔵じゃないけど。

 と、ここまで考えたところでコペルニクス的発想の転換をしましたよ。「隠れキリシタンのおばあさん=マリア」ってことなんでしょうか、これは。(380度くらい転換しました。)俺的には、是非とも「トメさん」とかとかであってほしいところ。おばあちゃん的に。

 そうそう。この付近にくると、あちらこちらに「ステーキハウス八石(はちこく)」ってお店の看板があるんですよ。山の麓に牧場があって、そこで育った牛の料理を食べさせてくれるようなんですよね。ステーキってくらいだから高いんだよなーとか思いつつ家に帰って調べてみたところ、まぁ確かにステーキ関係のメニューは我が家では払えないそこそこのお値段なんですが、お手軽なビーフカレーとかハンバーグなんてメニューもあるらしいではないですか。
 おまけに、牛すじ煮込みはかなりのボリュームで210円とのこと。日本酒とかもあるらしいのです。

 今度はお堂完成記念に、ステーキ八石で牛すじ煮込みで酒飲むしかないな、と決意した昼下がりでした。
 
 煩悩。煩悩。

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    やまざき ふみひろ

    フリーランス仏像愛好家。仏像についてひとことも喋らなくても、誰も困らないくらいのフリーランス。ライフスタイルとしての仏教好き。
    Twitter IDは[ @gatabutsu ]。新潟の仏像話を中心につぶやき中。
    Facebookでは、記事にする前のメモ書きや、美術館・博物館などもうちょい広い話題でやってます。

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